ヘパリーゼの副作用に注意!ドリンク、錠剤どちらでも起こり得る
疲れた肝臓に元気を与え、肝機能改善、肝機能回復の効果があるとされる市販薬がいくつかあります。
代表的なところでは、ゼリア新薬工業株式会社の「ヘパリーゼシリーズ」が有名ですね。
ヘパリーゼシリーズには、いわゆるドリンク剤とタブレット(錠剤)の2タイプがありますが、市販薬(医薬品)ということで処方薬よりも副作用の点が少々気になるところかと思います。
今回は、「ヘパリーゼシリーズの副作用」を検証します。
ヘパリーゼシリーズで起こり得る副作用
副作用があるからその薬に問題があるというわけではありません。この部分は誤解されやすい部分ですが、極論をいうなら、「薬(薬物)である以上、必ず副作用がある」と結論づけられます。
ある人が薬を飲んで「私はまったく副作用がなかった」という人もいると思います。これはその薬が特に優れているわけではなく、その人の体質と成分との相性が良かったという認識が正しいでしょう。
副作用があるから悪いわけではなく、副作用がないから良いというわけでも、必ずしもないということはご理解いただきたいところです。ただ、原則として漢方薬やサプリメントの副作用の危険は非常に小さいです。
以上の基本を踏まえていただき、ゼリア新薬工業株式会社のヘパリーゼシリーズの副作用を検証していくことにしましょう。
ドリンク、タブレットタイプどちらも副作用はある
薬の副作用の原因を特定することは非常に難しいといえます。副作用である以上、その薬の特定の成分が何らかの悪影響となっている可能性が高いです。ただし、その成分がすべての人の副作用の原因となるわけではありません。
仮に特定の成分によってその薬を服用した利用裳すべてに副作用がもたらされたとするなら、それは「毒物」であって、排除の対象となります。しかし、体質によってケースバイケースなことがほとんどです。
ということで、ヘパリーゼシリーズの副作用を考える上でも、まずはどんな副作用が起こるのかを検証するにとどめ、成分についてはあまり深く掘り下げないほうがいいかな?と考えます。
まずはドリンク剤ですが、ヘパリーゼドリンクシリーズは
- 新ヘパリーゼドリンク
- ヘパリーゼドリンクⅡ
- ヘパリーゼHi
- ヘパリーゼHiプラス
- ヘパリーゼキング
- ヘパリーゼキングプラス
- ヘパリーゼキングEX
の全部で7種類あります。サプリメント(医薬部外品)の「ヘパリーゼAmino」を加えれば8種類になります。それぞれ詳細はこちらのページにまとめてありますので、興味がある人はご覧ください。
これらすべてに共通する副作用は以下のとおりです。以下の症状がみられたら、直ちにヘパリーゼの使用を中止し、症状が改善しない場合は医療機関で相談してください。
- ヘパリーゼドリンクシリーズの副作用
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- 皮膚症状・・・発疹
- 消化器症状・・・胸やけ、吐き気、下痢
(参考:使用上の注意[相談すること]-新ヘパリーゼドリンクより)
また、タブレットタイプの「ヘパリーゼプラスⅡ」は、皮膚症状としてみられる発疹の副作用の危険があると考えられます。
なお、コンビニでも購入できる「ヘパリーゼAmino」については、分類上は「サプリメント」になるため副作用に関する表記はありません。
はじめに述べた通り、副作用の原因はそれぞれの薬に含まれる成分と体質です。ヘパリーゼシリーズには、ほかの薬と同じく数多くの成分が配合されています。そのどれが副作用の原因となるかの特定は難しいです。
しかしヘパリーゼシリーズの主要となる成分に「肝臓水解物」と呼ばれる物質があります。これはすべてのヘパリーゼに含まれているので、副作用の原因となるか否かはともかく、その概要は知っておきたいところです。
肝臓水解物自体に副作用の原因が含まれている可能性は低い
ヘパリーゼの主要成分である肝臓水解物を定義してみると、「動物の肝臓に消化酵素を加えて加水分解し、アミノ酸やペプチドの形にしたもの」となります。
これだけでは「なんのこっちゃ?」と思われますが、わかりやすくひとことでまとめるなら、肉や大豆製品からたんぱく質を摂取するよりもたんぱく質を吸収しやすい状態にしたものとなります。
肝臓を形成する最小単位の組織である「肝細胞」は、ある部分が死んでしまってもどんどん再生される特殊性を備えています。これを有効にするためには、肝細胞の材料となるたんぱく質が必要になります。
その優れた材料となるのが「肝臓水解物」です。肝臓水解物の原料は「動物の肝臓」なのですから、基本的には肝臓水解物自体に副作用の原因因子が含まれているとは考えづらいといえるでしょう。
(肝臓水解物とは?-ヘパリーゼ(ゼリア新薬工業株式会社)より)
ただ、一説では肝臓水解物こそヘパリーゼシリーズの副作用の原因だとする声があることも事実です。しかし再三お話しているとおり、副作用の原因を厳密に特定するのは、現実には難しいといえます。
いずれにしても、上記に囲んだ副作用(と思われる症状)がみられたら、ヘパリーゼの使用を直ちに中止していただきたいと思います。
ヘパリーゼは副作用の危険も考えて飲みましょう
副作用のことばかり気にしていては、どんな薬も怖くて飲めなくなってしまうではないかとの声も聞こえてきそうですが、いや、これはまさにそのとおりです。ヘパリーゼに限らず、どんな薬にもいえることです。
普段薬を飲んでもあまり副作用が出たことがないという人は、正直そこまで気にする必要はないといえるでしょう。ただ、実際に薬の副作用を経験した、あるいは経験はないが気になるという人は注意しましょう。
繰り返しになりますが、薬(医薬品)である以上、副作用は必ず(誰かに)起こると考えるべきです。メリットがあって薬を使用するのであれば、副作用というデメリットを想定しておく必要があります。
これはヘパリーゼに限ったことではなく、すべての医薬品にいえることです。