脂肪肝の原因は食べ過ぎ・飲み過ぎだけじゃない!

近年、脂肪肝の患者が増えていて、4人に1人くらいが健康診断で脂肪肝と診断される時代。脂肪肝はそれほど深刻な病気ではないと思われがちですが、実は放置すると肝硬変や肝がんになってしまうこともある危険な病気です。

そんな脂肪肝の原因となるのは、日本人のほとんどが食べ過ぎや飲み過ぎによるものです。しかし、無理なダイエットをした人や飲酒習慣がない人も危険なのです!

脂肪肝にはアルコール性と非アルコール性がある

脂肪肝とは、肝臓の細胞に中性脂肪が溜まり過ぎてしまった状態です。肝臓の細胞の30%以上に中性脂肪が溜まってしまった状態を「脂肪肝」と呼びます。

▼脂肪肝について、こちらに詳しく書かれています。
【脂肪肝とは】肝臓はどんな状態?特に症状がなくたって放置は危険!

脂肪肝はその原因によって、次の2つに分類することが出来ます。

  • アルコール性脂肪肝
  • 非アルコール性脂肪肝

アルコール性脂肪肝は、大量飲酒が原因で発症してしまう脂肪肝です。過剰な飲酒を長期間続けていると、肝臓はアルコールを処理する役割に追われてしまいます。その結果、脂肪の分解が後回しになって脂肪肝となってしまうのです。

非アルコール性脂肪肝は食べ過ぎや運動不足、肥満などが原因で発症してしまう脂肪肝です。消費エネルギーよりも食事からの摂取エネルギーが多くなってしまい、処理しきれなかった分が中性脂肪として肝臓に溜まり、脂肪肝となってしまいます。

お酒をよく飲む人ならば、自分の肝臓の状態を多少は気にしているでしょう。しかしお酒をそれほど飲まない人は、あまり気にすることはないかもしれません。しかし飲酒量がそれほど多くなくても、脂肪肝になってしまうことがあることがあるのです。

従来、お酒をそれほど飲まない人に脂肪肝はそれほど心配しなくてよいと考えられてきました。しかし最近、そうでもないことがわかってきています。脂肪肝と指摘されたら、きちんと自分の体の状態に向き合ってください。

脂肪肝の原因は食事や飲酒習慣に!あなたの毎日は肝臓を痛めつけているかも

脂肪肝の原因は、摂取したエネルギーが消費するエネルギーを大幅に上回ってしまったことです。もともと肝臓には、余った脂肪をエネルギー源として蓄えておく働きがあります。健康な人の肝臓でも、その重量の3−5%は中性脂肪です。

しかし摂取エネルギーが消費エネルギーを大幅に上回り続けると、肝臓には中性脂肪が少しずつ蓄えられていき脂肪肝になってしまうのです。

つまり脂肪肝には、生活習慣が大きく関わっています。食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足や肥満といった悪習慣を続けていると、肝臓には中性脂肪がどんどん蓄えられていきます。これが脂肪肝の原因になるのです。

アルコール性脂肪肝の原因

アルコール性脂肪肝の原因は、長年にわたる過剰な飲酒です。1日平均で純粋なアルコールに換算して60g以上の飲酒を、5年以上にわたって続けた結果に発症してしまった脂肪肝をアルコール性脂肪肝と言います。

女性の場合には男性よりもアルコールを処理する能力が低いため、純粋なアルコールに換算して1日40g以上の飲酒を続けた場合を目安にします。また肥満のある人では、この飲酒量に達していなくてもアルコール性脂肪肝になってしまうことがあります。

肝臓には脂肪やアルコールを分解する働きがあります。お酒を飲んだとき、肝臓はアルコールを分解しようと、脂肪の分解は後回しにして一生懸命働きます。その結果、肝臓には中性脂肪が蓄積されていくことになるのです。

アルコール性脂肪肝を治療するためには、お酒を止めることが何よりも重要になります。それだけで肝臓の状態はだいぶ改善するのです。

▼アルコール性肝障害の原因については、こちらに詳しく書かれています。
アルコール性肝障害の原因は、5年以上継続された過剰な飲酒

非アルコール性脂肪肝の原因

お酒をあまり飲まないという人も脂肪肝になってしまうことがあります。このような脂肪肝を「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLDナッフルディ)」と言います。

NAFLDの原因は食べ過ぎ、運動不足、そしてそれらによって肥満になっていることです。メタボリックシンドロームの症状が肝臓に現れた状態とも言えます。2型糖尿病や脂質異常症があるということも多くなります。

肝臓には脂肪を代謝する役割があるのですが、摂取エネルギーが多くなりすぎて消費エネルギーを上回ってしまった場合には、使い切れなかったエネルギーが肝臓に中性脂肪として溜まっていってしまうのです。

NAFLDの一部は「非アルコール性脂肪性肝炎(NASHナッシュ)」という危険なタイプの脂肪肝になってしまうことがあります。NASHは進行すると、肝硬変や肝がんになってしまうこともあります。

飲み過ぎ食べ過ぎは肥満だけじゃなく脂肪肝にも繋がる

飲み過ぎや食べ過ぎは肥満になりやすく、さらに肥満になるとメタボリックシンドロームのリスクも高くなります。しかしそれだけでなく、飲み過ぎや食べ過ぎを続けていると脂肪肝の危険性も出てくるのです。

そしてさらに気をつけなくてはいけないのは、脂肪肝になってもほとんどの場合は自覚症状が何も出ないということです。

倦怠感や腹部膨満感などが出ることもありますが、それらの症状があっても脂肪肝による症状だとはなかなか気がつけないでしょう。

まれに脂肪肝は進行して、肝硬変や肝がんになってしまうこともあります。しかし肝硬変にまで進行していても、肝硬変の初期の段階では特に自覚症状は出ません。

さらに悪化して、もう改善させることが難しい状態にまでなってしまったころになって、やっと様々な症状が現れるようになるのです。そのときになってから後悔したのでは遅すぎます。

食べ過ぎ飲み過ぎはほどほどにするようにしましょう。また定期的に検査を受けて肝臓の状態をチェックし、何か指摘された場合には放っておかないで治療をしていくようにしましょう。

定期的に健康状態をチェックして、悪かった部分は改善していくことが大切ですね。そして検診で指摘されたことは、絶対に放っておいたりしないようにしましょう。
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