肝臓に良いサプリメントの選び方。有効成分と目的別に選ぶコツ
サプリメントにはいろいろ種類がありますが、毎日激務をこなす肝臓にもぜひその力を借りてメリットを生み出したいものですね。
お酒を飲む人にとってはもちろんですが、飲まない人にとっても同様です。
肝臓といえばカキ(牡蠣)由来のタウリン、しじみ由来のオルニチン、ウコンから抽出されるクルクミンなど、良いとされる有効成分が豊富ですので、今回は、「肝臓にはどんな種類のサプリが良いか」というテーマでお話します。
サプリメントの賢い選び方1.有効成分の種類別で選ぶ
ドラッグストアに行って、肝臓に良いサプリメントはどれですか?と質問し、紹介されたサプリメントの値段やパッケージデザインなどで判断して「じゃあコレください」といって買って帰る・・・
おそらく肝臓に良いサプリメント選びはこれで十分だとは思います。しかしそれではなんとなく味気ないのも事実。大事な肝臓をケアするためのサプリですから、もう少し踏み込んだ視点でサプリ選びをしてもよいかもしれませんね。
肝臓に良いサプリメントを選ぶ選び方は、大きく分ければ「2とおり」が考えられます。
- サプリメントの成分から選ぶ
- 期待する効果から選ぶ
それぞれまったく異なる要因であるかに感じられるかもしれませんが、効果を考える以上は成分が重要なのは明らかです。ですから本来であれば「期待する効果」から考えていくのが常套でしょう。
とはいえ、サプリメントといえばやはり有効成分の種類を知らなければならないことも事実ですから、今回はややイレギュラーかもしれない「成分」からご紹介するパターンでお話を進めたいと思います。
肝臓に良いサプリメントに含まれる成分は、以下のとおり相当数の種類があります。
- 肝臓に良い成分(成分の由来)
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- オルニチン(じじみや大豆の一部)
- クルクミン(ウコン)
- タウリン(牡蠣、イカ、タコ)
- シリマリン(マリアアザミ(別名ミルクシスル・オオアザミ))
- アルギニン(肉類、ナッツ、エビ、牛乳、大豆、玄米、レーズンなど)
- コリン(味噌、大豆など)
- セサミン(ごま)
- メチオニン(野菜、果物、肉、ナッツ、マメ科植物)
- レシチン(鶏卵、大豆、野菜、肉類、小麦でんぷん、マグロ、ピーナッツ)
- epa・dha(魚介類)
- グルタミン(豆腐やきなこなど大豆製品、チーズなど乳製品、ナッツ類など)
- フコイダン(海藻類)
- ラクトフェリン(しぼりたての乳(低温殺菌乳)、ナチュラルチーズなど)
- 亜鉛(牡蠣、レバー、牛肉、牛乳、チーズ、納豆など)
- スルフォラファン(ブロッコリー(微量))
肝臓に何らかの良い効果が期待される成分はこれだけたくさんあり、その効果もそれぞれ異なるわけです(ほぼ同じ効果が期待される成分もあります)。
そして事実、これだけの成分に特化したサプリメントが店頭に並んでいたりネットで購入することができたりするわけです。
ご自身が必要と考えられるサプリをチョイスするための参考となるのが、以下の「目的別で選ぶ」の項です。しかとご覧いただき、参考にしていただきたいと思います。
サプリメントの賢い選び方2.目的別で選ぶ
肝臓に良いサプリメントを選ぶ際に、その選び方はいろいろ考えられるでしょう。「目的?そりゃあ肝臓に良いことをしたいからだよ」という声も聞こえてきそうですが、肝臓にどう作用してほしいのかが意外と重要です。
実際ドラッグストアに行けば、上で触れたように「肝臓に良いサプリはどれ?」と店員さんや薬剤師スタッフにリクエストして候補を選んでもらうことにはなると思います。しかしその過程で必ずこんな質問があるはずです。
「(お客さんがほしいのは)どういった効果のサプリメントですか?」
何しろ上記に列挙したように、成分別でもかなりの数のサプリメントが存在しているわけですから、効果だってそれぞれ異なるわけです。簡単に「はい、これですね」というわけにはいかないのです。
とはいえ、肝炎や肝硬変、肝臓がなどの重篤な肝臓病をサプリメントで改善するという考え方はそもそも持たないほうがよいわけですから、肝臓病に関しては少しデリケートな部分もあります。
たとえば脂肪肝に効くサプリメントはあるのか、あったとしてもごく初期の脂肪肝だけに有効なのか、肝炎に近い脂肪肝にも有効なのかといった、「目的の細分化」が必要になります。
一般的には、軽度脂肪肝のような軽度な肝臓病であっても、確かに肝臓向け市販薬やサプリメントがドラッグストアの店頭に並ぶ時代ではありますが、やはり肝臓病は病院で治療をするのがベストであるといえます。
ですから「肝臓に良い」といってもなかなか意味深いことばだったりするのです。まずはそのあたりを踏まえて、「肝臓に良いサプリメント」を選ぶ必要があるといえるでしょう。
もちろんしじみのオルニチンが必要だとか牡蠣のタウリンが欠かせないとかウコンのクルクミンは絶対だ・・・などといった成分ごとに考えることも大切です。価格帯の問題もあるでしょう。
しかしまずはサプリメントが役に立たなければ意味がないという考えのもとに、サプリメント選びをする必要があるということだけはしっかりと念頭に置いていただきたいですね。
それと、実際脂肪肝ばかりでなく、肝硬変や肝炎、しかもB型肝炎やC型肝炎などのウイルス性肝炎など重度肝障害向けのサプリメント(効くかどうかではなく「向け」のサプリ)もあることはあります。
しかしこれらの重度肝障害をサプリだけに頼って改善しようと考えるのはあまりに無謀です。「肝臓に良い」という部分は「肝機能改善、肝機能回復」を目的とした予防的ケアの意味が強いと解釈すべきです。
サプリメントは適材適所に有効活用を
確かに近年優れたサプリメントがたくさん店頭に並ぶようになり、ネットからなら簡単に手に入るようにはなりました。しかしサプリメントは「1つの成分を補う」ものが主流です。
もちろん複数の成分を含むサプリも出ていますが、しかし肝臓はそんなに単純な臓器ではありません。何しろ肝臓は「化学工場」の異名をとるほど高度な生体反応を担当する臓器です。
もちろん足りない成分を補給して肝機能低下を食いとめるといった効果は十分期待できます。ただ、すでに肝臓病を持っている患者さんは特に、種類によっては摂取しないほうがよいサプリもあります。
そのあたりの判断は非常にデリケートかつ専門的知識が必要な部分でもありますので、まずは病院で「ご自身に合うサプリメント」について相談してみるのがベストかな、と思います。
何もドラッグストアやネットなどの市販品でなくても、病院で処方の形をとったサプリメントもありますので、幅広い視野で、ほんとうの意味で「肝臓に良いサプリメント選び」をしていただきたいと願います。