二日酔いにはコップ1、2杯の水。吐き気で辛いときの正しい水分補給法

二日酔いはなぜツライのか・・・そんなことを考えても意味はありません。逆につらい症状さえなければ、湯水のごとく酒を浴びて二日酔いになったっていいじゃないかと考えるかもしれません。肝臓をはじめ身体へのダメージを度外視すれば。

二日酔いの最大の問題は「つらい症状」にあります。頭痛やむかつきなど、人それぞれ反省や後悔とともに感じるところはあるでしょう。

中でも別格なのが「吐き気」だという人も多いはず。ここで対策としてイメージする「水」の飲み方について解説しましょう。

なんと水を飲めば吐き気は強まる!?脱水状態でも水を受け付けない理由

二日酔いになればさまざまな不快をともなう症状に見舞われますね。その不快感の最大の原因のひとつは「脱水症状」にあります。

アルコールの許容量が小さい人は、飲みすぎると下痢や嘔吐に襲われます。許容量がそれほど小さくない人でも、アルコールには利尿作用がありますので、おしっことして水分が体外に排出されやすい状況を招くことは確かです。

それゆえ二日酔いのレベルまで飲めば、たいていは脱水が起こります。

脱水の状態から脱するためには、はやい話「水」を飲めば良いわけですが・・・ここには思わぬ落とし穴があるのです。

脱水が起こっているわけですから、朝の目覚めとともに強烈なのどの渇きに駆られ、衝動的に冷蔵庫の扉を開けてしまったなどという経験がある人もきっといるでしょう。

冷蔵庫からペットボトルを引っ張り出す手間さえ惜しんで水道の蛇口に口をつけてゴクゴク飲んでしまった・・・などといった経験も、二日酔いのつらさを知っている人ならしているかもしれませんね。

見た目の問題はあるかもしれませんが、脱水症状があらわれているわけですからそういう衝動自体はむしろ自然といえるでしょう。ただ、二日酔い最大の問題は、慌てて水を飲んだあとに不意に襲いかかります。

そう、強烈な吐き気です。重い二日酔いになると、すべて戻してしまって胃の中に何も入っていないはずなのに、それでも強い吐き気が襲ってきます。そんな状態で水を飲めば、すぐに戻さなければなりません。

二日酔いの症状を早急に取り除くための必要条件は、「水(水分)を体内にとり入れる」ことです。しかし重い二日酔いでは、「水を飲む」という条件を十分に満たすことができません。

強烈な吐き気によって、身体はせっかく満たした必要条件を受け付けようとしないのです。これが二日酔いの最も厄介な症状のひとつですね。

二日酔いの朝、水をどう飲めば嘔吐しなくてすむか

では、いったいどうすれば重い二日酔いの朝に水を体内に取り入れることができるのか、これが最大のポイントになります。理想の水の摂取量は「コップ1~2杯」といいます。けっこう遠い道のりだと感じますね。

そういうときは、「胃のうがい」が有効です。なんじゃそれは・・・思いますよね、みなさんも。のどのうがいに対して「胃のうがい」と考えていただければイメージはできるかと思います。

もちろんうがい薬などの必要はありません。重い二日酔いで吐き気が強いときには、水を飲めばすぐに戻したくなるわけですから、自動的に胃のうがいが実施されることになります。

肝臓をボロボロにする毒きのこの記事では、「胃洗浄」という手法を解毒の方法としてご紹介しましたが、胃洗浄のように病院で実施する大掛かりな器具が必要になるわけではありません。

二日酔い時の「胃のうがい」の手順
  1. 強い吐き気と激しいのどの渇き
  2. 水を飲む
  3. 戻す

ただし、胃の内容物(重い二日酔いの場合「水」)を戻す際に、強い吐き気をともなう場合のみ戻してください。吐き気がないときには絶対に無理に戻そうとしないでください。

吐き気は、風邪でいう「咳」と似た現象です。咳は、風邪の菌やウイルスが体内に入り込んでいるため、身体が危険を察知してこれを排出しようとする現象です。吐き気(ちなみに下痢も)も同様です。

ですから水を飲んでも吐き気を催さなくなった時点で、戻すことはやめ、すみやかに水分摂取しましょう。最終目的は、戻すこと自体よりも「水分摂取」のほうであることは忘れないでください。

二日酔いでも自分ではちょっと・・・という場合は病院で水分摂取を

ふつうのうがいなら小学生でももっと小さいお子さんでも自分でできますが、「胃のうがい」ともなると、大人でも簡単にできるものではありません。吐き気が強いのに、気持ち的にわだかまりが残ります。

二日酔いの有無にかかわらず、大人になればやはり一度は嘔吐を経験したことがあるかと思いますので、そのつらさを思えば、自分ではちょっと・・・と二の足を踏む気持ちもよくわかります。

しかしそうなると、水分摂取もままならないので二日酔いはまだまだ継続しなければならないことを意味します。確かに軽度な二日酔いであれば、たいていは時間が解決してくれますよね?

ただ、二日酔いは「低血糖」と「脱水症状」の合併症のような症状であり、考えようによっては危険な状況であるとも解釈できます。重い二日酔いはできるだけ早く解決する必要があるのです。

しかしやっぱり自分でとなると、ちょっと勇気がわかない・・・という場合、そんなときには病院で水分摂取をすることをおすすめします。無論、病院で「胃のうがい」をするわけではありません。病院では、脱水と低血糖を解消する「二日酔い点滴」などと呼ばれる水分・糖分摂取の方法が採用されることが多いんです。

ビタミンBも摂取できますので肝機能回復にも役立ちます。

病院で二日酔い治療をするメリットは、安全で適切な処置をしてもらえることと、苦しみや怖さを味わうことなく、十分な水分補給ができることです。デメリットはお金がかかってしまうことと、足を運ぶ手間です。

ただし注意しなければならないことがあります。二日酔いの状況は、まだ血中にアルコールが残っている状態なので、車で病院に行ったら「飲酒・酒気帯び運転」になってしまいます。

万一事故を起こしたりしたら、アルコールが検知されなくても一大事です。アルコールが検知されようものなら絶望的な状況に陥ります。病院で二日酔い治療をするなら絶対に車を運転しないようにしてください。

二日酔いから学ぶことは大きい?繰り返さないことが何より大事

二日酔いの苦しみを一度でも経験すると、「こんなのもうイヤ・・・」と泣きたくなることもあるでしょう。それでもお酒の魅力が大きく、同じ過ちを犯してしまう人は多いと思います。

そうしたつらい経験も、一種の「学習」と考えれば悪くないのかもしれません。水を飲むたびに襲いかかる嘔吐の恐怖と闘いながら行う「胃のうがい」を一度経験するのも悪くないでしょう。

少なくとも、二日酔いの苦しみに襲われたら水分摂取が重要なのだということは学習できるはずです。ただし、二日酔い・嘔吐…なんてそんなことばかり繰り返していたら、肝臓も身体も持ちません。

肝臓や身体に覚えさせる学習は、少なければ少ないほうが良いに決まっています。何度もつらい経験をしたなら、二日酔いの対処の方法とともに、お酒との付き合い方もぜひ学習していただきたいと思います。

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