ウコンの力に副作用あり!?肝臓に負担をかける鉄分含有量のヒミツ

ウコンの力はドリンク剤とタブレットを含め、現在大きく分けて「7種類」も店頭に並ぶ、大ベストセラーのサプリ飲料(サプリメント)です。

それゆえウコンの力の効果については、疑いの必要は何もありません。

ただ、だからといって副作用の危険性がゼロかというと、そこはやはりシビアに検証する必要があるでしょう。ウコンの力は医薬部外品なので、厳密には副作用の危険はありません。

しかし「副作用的な症状」は起こり得ます。

ウコンの力の副作用、副作用に似た症状が起こる可能性

繰り返しになりますが、ウコンの力は医薬品ではなくサプリドリンク/サプリメントに属する製品シリーズです。それゆえ、一般的な医薬品に該当する副作用の危険は一切ありません。

ただ、「効果」のページでもお話したように、ウコンの力には相当数のパワフルな有効成分が配合されていますので、「副作用的な症状」があらわれる可能性についてはゼロと言い切れるものではありません。

ですからサプリドリンク/サプリメントのウコンの力については、「副作用的な症状」について検証していきたいと思います。特に、すでに何らかの肝疾患があって、肝機能障害がある方はよくお読みください。

ウコンの力に含まれる鉄分が肝臓への負担になってしまう

肝機能低下に悩んでいる、肝機能回復、肝機能改善を実感したい人にとって、「ウコンの力」が強い味方となってくれる可能性は極めて高いです。ウコンの力にそれだけのポテンシャルがあるからです。

そのポテンシャルの根拠は、「配合成分のパワー」にあります。しかしそのパワーが、すでに肝疾患、肝機能障害がある人にとってはマイナスとなってしまうことも想定されますよ、というところは要チェックなのです。

知られているところでは、「鉄分」という栄養素が肝臓への負担となってしまう危険に言及された事例があります。ウコンの力のベースとなる「ウコン」には、かなり豊富な鉄分が含まれています。

近年では、たとえば「万病に効く」などともてはやされているキクラゲ(またはアラゲキクラゲ)をたくさん食べたところ、もともと悪かった肝臓がさらに悪化した・・・などという事例を耳にしたことがあります。

これは、キクラゲに含まれる鉄分量が非常に多いからです。

ところが、ウコンの鉄分含有量は、キクラゲの「ざっと40倍」です。当然「ウコンの力」シリーズそれぞれにも、相当量の鉄分が含まれています。

ですから、もともと肝臓が悪い人がウコンの力をがぶ飲み(というか、毎日の習慣的な飲用でも)すると、場合によってはキクラゲの暴食よりも早く、肝臓にとってよろしくない状況がおよぶ可能性もあるのです。

なお、「肝臓が悪い人」とは、

などが挙げられます。

特に、C型肝炎では鉄分摂取の厳しい制限を強いられることがあります。C型肝炎の患者さんは、ウコンの力に限らず、鉄分摂取については十分注意していただきたいと思います。

肝機能障害の原因の1つに、「フェリチン高値」といって、過剰に鉄分を蓄積してしまう症状があります。これが肝機能障害をさらに悪化させることがあるのです。上記の肝疾患に加えて要注意です。

フェリチンは水溶性たんぱく質の1つなのですが、鉄分を貯蔵するのが上手なたんばく質で、フェリチンが不足するとたいへんなことになります。しかし多すぎるとフェリチン高値の危険が高まります。

フェリチン高値の人の「ウコンの力」の飲用による肝機能障害(およびその悪化)は、厳密な意味では副作用には相当しません。しかし今回のテーマである「副作用的な症状」であることは間違いありません。

鉄分の何が傷んだ肝臓に悪いの?

ここからは、ウコンの力を飲む際の危険性を含め、肝機能障害と鉄分摂取の一般論的な危険性のお話になります。要は、ウコンの力などの鉄分による危険の原理的な部分のお話です。

肝機能障害が起こる原因はさまざまです。大きく分ければ、上記それぞれの「肝臓病」による症状と解釈することができるでしょう。

ただ、直接的には「肝細胞が破壊されること」が原因となって起こる障害です。

しかし肝臓を構成する肝細胞は、再生可能な臓器細胞なんです。肝臓病の臨床的なデータによると、たとえば手術で肝臓を半分以上切除したにもかかわらず、肝臓はもとのとおり活動できることがわかっています。

これはなにも肝臓をちょんぎったときにだけ起こる再生ではありません。肝細胞がダメージを負ったときにも、ダメージを負った先からどんどん再生への活動がはじまります。

肝細胞が再生される過程において、「肝線維化(かんせんいか)」が起こります。肝線維化というのは、破壊された肝細胞が回復する過程において必要になるコラーゲン分子が肝細胞を覆うような状態です。

傷が治る過程で「かさぶた」ができる現象と似通っています。特に肝機能の数値に異常がない人であっても、日常の飲食によって肝細胞は破壊され、再生されますが、その都度少しずつ肝線維化が起こっていると考えられます。

ただ、肝炎や肝硬変のように一度に大量の肝細胞が破壊されると、肝線維化は深刻です。実は、鉄分によって肝線維化が助長される可能性があることも、臨床的にわかってきているのです。

そういう事情がありまして、人気が高いドリンク剤ではあっても、肝機能障害がある人があまりウコンの力シリーズを飲みすぎてしまうのは、鉄分摂取過剰のためかなり危険であるといえてしまいます。

もちろん、キクラゲをボリボリ食べすぎるのも問題ですよ。

肝機能障害がある人は要注意!担当医と相談してウコンの力をご利用ください

人気のドリンク剤・ウコンの力シリーズは、かなりパワフルでエネルギッシュなドリンク剤なので、医薬品ではないものの、副作用的症状の危険がゼロではありませんよ・・・という今回のテーマでした。

ただ、ウコンの力を飲むと翌日調子が良くて・・・という人が多いことも事実だと思いますので、まずは飲みすぎないことに注意していただきたいと思います。休肝日のように「休ウコン日」もはさみましょうか。

それと、肝疾患、肝機能障害がある、もしくはフェリチン高値の人は、担当医と相談しながらウコンの力を飲む/飲まないようにしていただきたいと思います。

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