肝機能を高めるツボ7つ!肝臓に効くツボはここ

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれる臓器です。しかしひとたび肝臓が原因の疾患が暴走を始めると、だれにも止められないくらい脅威的な症状が全身に頻発し、最悪死に至ります。これが肝疾患の怖さです。

一度暴走を始めた末期的肝疾患に対して、さまざまな研究を重ねて治療が盛んにチャレンジされていますが、現在の医学ではだれにも止められません。そうなる前の初期的段階で食い止めるのが肝疾患の鉄則です。

沈黙の臓器だけに自覚症状がないのがよけいに事態を難しくしているのですが、東洋医学の範囲に目を向ければ予防の余地は十分あります。

「東洋医学」、「予防」とくれば…「ツボ」!

指圧することで肝機能を改善する効果が期待できるツボをご紹介します。

肝機能の数値が悪かったらおしてみて!肝臓の問題に効果がある7つのツボ

それではさっそくですが、実際に肝臓への効果があるとされるツボを具体的にご紹介していくことにします。

よく知られるところでは「7つ」のツボがありますので、すべてご紹介しましょう。

【注意】
ツボは、背骨を対称軸として左右同じ位置にあります。つまり、背骨に関して線対称の位置関係があるのです。片方だけではなく、両方のつぼを刺激するようにしてください。

なお、ツボのおし方については、「痛くない程度」の強さで「10~20秒程度」の時間をかけておし、これを「数回」繰り返すとよいでしょう。

肝臓に効くツボ1.肝兪(かんゆ)

「肝経の兪穴(ゆけつ=ツボ)」に由来する肝兪は、肝経のツボでも代表的なツボです。肝兪は、背骨の第9・10胸椎の間から指の幅2本分外にスライドしたところに位置します。

「肝」の文字からもわかるとおり、「肝臓を良くするところ(経穴)」と説明されます。ただ、自分ではなかなかおしづらい経穴なので、押圧の際はご家族などに協力してもらったほうがよいでしょう。

なお、肝兪には

  • 不眠症
  • 神経衰弱
  • 眼の病気
  • 顔色蒼白

などを解消し、精神をすこやかにするという効果もあるとされます。

肝臓に効くツボ2.労宮(ろうきゅう)

「労宮」は、手のひら中央付近に位置する経穴です。軽度のアルコール性脂肪肝に効果があるとされるほか、肝臓の疲労などに起因する精神不安定にも効果的です。

労宮は、「軽くグーを握ったときに中指の先端があたるところ」に位置します。

労宮は他にも「咳」の症状にも効果があるとされます。

肝臓に効くツボ3.太白(たいはく)

肝臓に関係する経穴(ツボ)を「肝経」、胆のう・胆道に関係する経穴を「胆経(たんけい)」と呼びますが、同様に、脾臓(ひぞう)と関係する経穴を「脾経(ひけい)」と呼びます。「太白」も脾経のひとつです。

脾臓と肝臓はまったく別の臓器ですが、「肝機能」と関連付けて考えたとき、脾臓も非常に重要な臓器です。

太白は、肝機能低下とも関係する

  • 胃の痛み
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 便秘
  • 下肢倦怠
  • 筋痙攣
  • 心症状
  • 腰痛
  • 熱病
  • 精神症状

などへの効果も期待されるツボです。

肝臓に効くツボ4.曲泉(きょくせん)

「曲泉」は、脚の前側、ヒザを伸ばした際にそのヒザの内側にできるくぼみの中央に位置しています。一般的には膝の痛み、生理不順、股関節痛、尿道炎、膀胱炎への効果が謳われますが、肝臓にも効果があります。

曲泉は、肝臓の問題の予防についてももちろんですが、単に肝機能アップというだけでなく、軽度肝疾患の治療の効果もあるとされます。ただし、このあたりは諸説あるようなので、医療機関に行くことも大切です。

曲泉はほかにも、

  • 虫垂炎
  • 坐骨神経痛
  • 大腿神経痛
  • リウマチ

といった疾患にも効果(はりのほうが効果大)があるとされます。

肝臓に効くツボ5.蠡溝(れいこう)

なんだかとてつもなく難しい文字ですね・・・ただ、「蠡溝」は字が難しいだけあって、「肝臓の特効穴」と呼ばれるほど、非常に高い肝機能アップの効果が期待できる肝経です。

蠡溝は、内くるぶしの所に小指を置いて5指を重ねた親指のあたりに位置しているツボです。

蠡溝の押圧により肝機能がアップすると、いろいろなことに対するモチベーションが高くなったり滋養強壮の効果があったりと、なかなかの効果が期待できるツボなんです。

ちなみにこの蠡溝の文字は、ツボの位置が「虫が食ったような溝」にあることに由来しているんだとか。

肝臓に効くツボ6.行間(こうかん)

「行間」は、足の親指と人差し指がつくる谷間のちょうど真ん中よりわずかに下あたりに位置するツボで、肝機能障害や胆のう炎などに対して効果を発揮するといわれます。

行間は比較的よく知られるツボですが、肝機能障害や胆のう炎以外にも、自律神経障害や足の裏の痛みの改善などにも効果が期待されます。

肝臓に効くツボ7.太衝(たいしょう)

「肝機能」ということばは一般に、肝臓自体の機能および肝臓と密に連絡しあっている臓器との連絡機能まで含めることが多いです。その連絡機能を高める効果があるとされるのが、「太衝」という経穴です。

肝臓が密に連絡する臓器のひとつに「胆のう」があります。肝臓のツボと胆のうのツボを結ぶ経絡(※以下にこの用語の説明があります。ご覧ください)が弱っているときにおすと効果的です。

太衝は、足の親指と人差し指の又(谷間)をまっすぐそのまま上にのぼったところの骨のくぼみにちょうど一致するツボです。

で、肝心の「太衝」のツボの押印による効果は、肝機能の問題に由来する頭痛、かたこり、疲れ目などの解消が挙げられます。

という具合に、ツボをおしてその痛みから肝臓の疲労や肝機能低下などの情報をイチ早く察知できるかもしれませんので、ぜひお試しいただきたいと思います。

とはいえ、私たち日本人の生活に密着した西洋医学に慣れた私たちにとって、少々ミステリアスな香りもする東洋医学の「ツボ」というものが少々とっつきにくく感じられる人もいると思います。

よくわからんツボなんておしてよけいおかしなことになったりないだろうな?などと不安に感じるかもしれませんね。しかしちょっとしたメカニズムを知ることで、不安も少しは解消できるのではないでしょうか。

なじみがない東洋医学を知ろう!まずはツボの簡単なメカニズムから

気分がすぐれないとか眠りが浅いとか、女性の生理にまつわる不調など、ツボはどちらかといえば「はっきりとした病名がない問題」に対して有効であるというイメージがあります。

これに対し、「肝臓の問題」のように、はっきりした臓器に特化した効果がツボ療法にはあることも経験的に知られます。考えてみればこれはとても不思議なことである気がします。

西洋医学のテリトリーでさえ持て余し気味の臓器に特化して効果を発揮するわけですから、かなり神秘的です。さすがは東洋医学という気もします。それだけに、あまり頭を固くすると理解が遠のきます。

そこでまずは、ごく簡単にではありますが、そして肝臓に限った話ではありませんが、ツボをおすとどうして効果があるのかという部分に少しだけ迫りたいと思います。

ぜひ頭をやわらか~くして、「そういう考え方もあるのだな」というリラックスした気分で少しだけお付き合いください。

だれもが一度は感じる素朴な疑問?そもそもツボとはいったい何なのか

ツボは、正しくは「経穴(けいけつ)」と呼びます。特に肝臓や胆のう・胆道の問題を解消・軽減する効果があるツボをそれぞれ「肝経(かんけい)」、「胆経(たんけい)」と呼んだりもします。

あくまでも東洋医学のテリトリーでの考え方になりますが、身体のどこかにトラブルが起こると、体表の特定の部位に何らかの反応が起こると考えられています。

最も典型的な例は、その部位をおしたときに痛みを感じるといった自覚可能な反応です。簡単にいえば、この「身体のどこかに異常が起こるときに反応が起こる体表の特定の部位」のことをツボと呼びます。

臓器という臓器にツボというツボが対応していると考えられています。ですから当然、肝臓のような特定の臓器に疲労や機能低下などの異常が見られたときに反応が現れる体表のツボも存在することになります。

ツボをおすとなぜ効果が現れるのか?ツボが効くメカニズム

体表のツボが位置する部位からさらに体内へと視点をうつすと、その視線の先には必ず神経や血管が寄り集まったような場所があります。ツボをおすということは、神経や血管を刺激することに通じます。

臓器に何らかの異常が見られたときに体表の特定部位への反応が現れるとわかったのが先か、神経や血管が寄り集まった部位に異常が起こりやすいことを発見したのが先かは定かではありません。

ただ、東洋医学のテリトリーでは、ツボ下の神経や血管が位置する特定の部位に、特定の臓器の異常の余波が現れると、はるか昔から考えられてきました。

特定の臓器から特定のツボまでの経路にはいくつかのツボがあり、「星座」の要領でこれらを結んだラインを「経絡(けいらく)」と呼びます。経絡に沿った血液や体液、さらには「気」の流れを「気血(きけつ)」と呼びます。

ですから(あえて)簡単にイメージしてしまえば、肝臓に何らかの異常が起こると、その異常を伝える気血に乗って、ある特定のツボ(肝経)に反応が現れる、という大まかな理屈になります。

いかがでしょうか?メカニズムというにはあまりにも漠然としたイメージでしかありませんが、漠然とでもイメージが描かれることによって、ツボをおしてみる気持ちになっていただければヨシとしたいです。

もし「ツボをおす」というごく簡単な行動で「肝臓の悪化」という重大なリスクを事前に察知できるのであれば、そんなに幸運なことはありませんから。

まずはツボに親しむところからはじめてみましょう!

東洋医学というと、私たちの生活からはほど遠いところにある医学のような気もするかもしれませんが、実際には、民間療法と密接なつながりがあるのは、西洋医学よりも東洋医学のほうであると考えられます。

ツボについても、もちろん非常に奥が深く、難解な学問ではありますが、上記に示した「ごくごく簡単なメカニズム」を知れば、なんとなく効果があって不思議はないという気もするのではないでしょうか。

肝臓のトラブルも、病院にいけば解決できるかもしれないとはいえ、「普段から肝機能を高めて肝疾患の予防をする」という意味では、ツボの効果は想像以上に大きな期待を抱くことができます。

まずはツボに親しんでいただき、西洋医学のような最短距離の療法ではありませんが、気長に効果を期待してみるというのも悪くないかもしれませんね。

ぜひお試しを!

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