足の疲れがとれない…原因は肝臓の疲労や肝機能障害かも!
足の疲れがとれない・・・
いつもよりも一生懸命カラダを動かしたり慣れないスポーツをしたりすると、そういうことは誰にでも起こります。ただ、普段と変わりない生活をしていても足の疲れがとれないとなると、何か事情が隠されていのるかもしれません。
場合によっては、少々厄介な、あるいは重大な疾患のサインになっているのかもしれませんよ。特に、肝臓と足の疲れとの関係は意外と密接だったりすることもあります。要警戒です。
足の疲れがとれない原因は肝臓にある!?そのメカニズム
足の疲れがとれない原因は「足」にある可能性が高いです。ただそれは上のお話通り、たとえば普段しない山登りをしたとか普段しない立ち仕事をしたとか、普段より冷える環境で長時間働いたなどの要因が考えられます。
いずれも「普段とは違う行動」が間接的な原因になっています。しかしそうではない、つまりは「普段どおりの行動」であるにもかかわらず足の疲れがとれないなら、原因はむしろ別の場所にあると考えるのが自然です。
肝臓の疲労が足のトラブルを生むことがある!
食べ物から吸収された栄養分を含んだ血液が肝臓に運ばれると、肝臓はその栄養を適切な状態にして全身に送り出すという、いわば「栄養の司令塔」的な働きをする、とても重要な臓器です。
ということは、重大な肝機能障害ならもちろん、そこまででなくてもちょっとした肝機能低下が起こると、さまざまな不調が全身に現れることになります。
ただし、たとえば「お酒の強さが人によって異なる」という事例からもわかるとおり、肝機能の高さ、あるいは肝機能回復の速さは人によって大きく異なるのも肝臓の大きな特徴です。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるくらい、臓器自身の症状はあらわれにくい特徴があります。しかし、肝臓自身とはまったく別の部位に症状があらわれることもあるのです。
ところが、肝臓の性能が人によって異なるわけですから、肝機能障害があらわれる場所やタイミングについてもまた人によってマチマチなんですね・・・
それだけに、肝臓のトラブルの特定は難しいとされることが多いのです。ではここで、肝臓の悪化に伴う全身性の症状を確認しておきましょうか。
- 主な肝疾患による肝機能障害の例
-
- 疲れやすく、疲れが抜けにくい
- 足がつることが多い
- 皮膚のかゆみ
- 足のむくみ
- 手の震え
- お腹の張り
- 黄疸(おうだん・・・皮膚の黄変や褐色尿など典型的な肝機能障害)
- 体重が減少傾向にある
- 夜になると微熱が出る
(参考:肝機能障害 脂肪肝 慢性肝炎 肝硬変-ままた内科クリニックより)
ピンクでくくった部分が、主な「足のトラブル」になるわけですが、これらの症状が継続的、あるいは断続的にあらわれると「足の疲れがとれない」と感じられることになります。
また、足の疲れがとれない状況と合わせて、ほかの症状も同時にあらわれるようであれば、足の疲れがとれない原因が肝臓にある可能性が極めて高くなります。
なお、上記の肝機能障害があらわれる原因となる主な肝臓病は、以下のとおりです。
- 脂肪肝
- アルコール性肝障害
- 薬剤性肝機能障害
- 慢性肝炎(主にB型肝炎、C型肝炎)
- 肝硬変
- 自己免疫性肝炎
- 原発性胆汁性肝硬変
- NAFLD(非アルコール性肝障害)
- 肝臓がん
上記は「明らかな肝臓病」の例ですが、まったく自覚症状がない、あるいは「なんとなく(気分的、肉体的に)すっきりしない症状」が続く場合にも、肝臓疲労の症状として足のトラブルが起こることもあります。
肝臓にからむ問題はそれくらいデリケートなことがどうしても多くなってしまいますね・・・
足の疲れがとれないときの対処、解消法
肝機能障害として足の疲れがあらわれる以上は、肝機能障害をどうにかしなければ、症状の根本的な改善には至りません。しかし「じゃあさっさと肝臓病を治そう」といえるほど、肝臓病は簡単ではありません。
上に示したような重大な肝臓病の場合、足の疲れがどうのというレベルでは収まりませんので、直ちに治療していただかなければなりませんが、肝臓疲労が原因の足の疲れの場合、対症療法が有効なことも多いです。
この場合は、肝臓疲労を解消するための食事療法(禁酒を含む)とあわせて足の疲れをとるための治療を行います。肝臓の疲労がとれなければ、足の疲れもとれないとお考えください。
ここでおすすめしたいのは「安静」です。というのも、運動量に比例してエネルギー消費量が大きくなるからです。つまり、エネルギー消費が大きくなればなるほど肝臓に貯蔵されたエネルギーが消費されることになるのです。
肝臓のエネルギーが消費されるということは、肝臓自体にそれだけ負担がかかることを意味します。一般的に、肝臓のエネルギー消費はプラスに働くことが多いですが、明確な肝機能障害がある人は別です。
脂肪肝の治療では運動療法も極めて有効ですが、特に慢性的な足の疲れが気になる人は、食事の栄養管理のほうに神経を注いでいただき、運動はごく軽めの範囲にとどめることが重要です。
また、ストレスなども肝臓疲労においてはマイナスです。軽度かつ短時間のウォーキングや負荷が小さい水中ウォーキングもストレス発散には有効でしょう。睡眠不足も避けなければなりません。
お仕事が忙しい人にとって睡眠不足はつきものですが、しかしできることなら足の疲れがとれないうちは、重労働、長時間労働は避けていただくのがベストです。労働はストレスにもエネルギー消費にもつながりますので。
そのあたりも込めて、足の疲れがとれない問題の解消法をまとめます。
- 肝機能障害としてあらわれる足の疲れの解消法
-
- 食事の栄養管理を徹底
- 軽いウォーキング(陸上・水中)
- 十分な休息をとる
あまりにも負担が大きい足の疲れが慢性化している場合には、病院で検査・治療をされることも忘れないでくださいね。それと、肝臓とはまったく無関係の「痛み」がストレスになることもあります。
たとえば「歯痛」が大きなストレスになることも考えられます。腰痛、胃痛、頭痛、肩のこり・・・肝臓にまつわるトラブルは、いろいろな角度から検証してください。
視野を広く持って足の疲れに対処しましょう
単純な筋肉疲労や筋肉の炎症であれば、マッサージをはじめとする外科的な治療が功を奏することが多いでしょう。しかし肝臓が原因の出どころになっているとすると、話は単純ではありません。
もちろん、一時的に足の疲れが解消されることはあるかもしれませんが、文字通りほんの「一時的」に終わってしまうこともあります。そのためにも、まずは肝臓をケアして肝臓疲労を取り除いてあげることが重要になります。
そういう意味で、単なる足の疲れと解釈するのではなく、少し広い視野を持って対処していただきたいと思います。
なお、肝臓疲労の解消方法については、こちらのページ肝臓がお疲れ気味…そんな肝臓疲労を回復する具体的な方法にもまとめてありますので、こちらも合わせてご覧いただけますと幸いです。